【連載】二日酔いピカレスク ~アルコールに咲く徒花③~
タケシの嫁さん<後半>
「やった!行きましょ行きましょ!」
後ろで成り行きを見守っていた3人と合流し、近くの居酒屋へ入る。
「この2人結婚するんですよ。」
「えーそうなんですね!おめでとうございます!」
「どうもー^^」
「ところでお名前は?」
「ケイコです!」
とまあ、よくある流れで会話が弾み、盛り上がる。
ノリのいい娘でよかった。
・・・そしてかわいい。
しかしモノゴトはそんなに都合よく運ばないもので、杯を重ねるにつれてだんだん雲行きがアヤシクなっていく。
・・・タケシの。
そう、火がついてしまったのである。
一番ついてはいけない男に。
彼の隣には婚約者。
存在を忘れているはずはないのだが、どう見ても一番前のめりで会話をぶっこんでいく。
だんだん口数が少なくなっていく婚約者。
それに気付いてソワソワしだす私とヒロ。
「・・・あ、じゃあそろそろ遅いから帰ろうか。」
切り出す私。
明らかに名残惜しそうなタケシ。
そしておいおい解散となり帰路についたのだが、その後は皆さんご想像のとおりである。
タケシと婚約書の帰りのタクシーは修羅場となり、散々どつかれ、婚約解消の話まで出たとのこと。
(いや、確かにそもそも私が悪かったのは否定しないのだが、私だけの問題か?)
とまあ、その後事なきを得、二人は無事(?)に結婚に至ったのであった。
ちなみに現在も2人は仲睦まじく暮らしている(たぶん)。
数年後。
「タケシ、あのときはごめんな。」
「いやぁ俺こそ。やっちまったよな(笑)。」
「お前ら2人ともクソだったぜ(笑)。」
「確かに(爆)。」×2
ウコン皇子、若き青春の1ページであった。
ちなみにタケシの嫁さんがいまだに私に良い印象を持っていないのは言うまでもない。